人生会議をするのは年末年始
振り返り未来を整える時期だからこそ
2019年の振り返り。
令和。今年は、「人生会議」の啓発元年でした。
いよいよ啓発の年になったけれど、国民視点はどうなんだろう?
定義そのものを含め、
相当の配慮が必要だと思っていましたが、
結果的には、2019年の11月30日の「人生会議の日」に向けての啓発ポスターを巡って
炎上と共に多くの議論が湧き起こりました。
ポスターをすぐに取りやめることについてはやむをえない対応だったとは思いますが、
あのポスターをするからには、
ーA Bテストなど属性を多岐にあててリサーチをかける
ーポスターの対象者と設置場所について再検討する
ー啓発告知方法も含め慎重を期する
必要があったと思っています。決めたらならば続ける覚悟も必要だったでしょう。
実は、11月より以前から、人生会議の啓発は行われています。
8月に札幌にてイベントが既に開かれ、イベント参加者の観客の方たちは、メディア情報からは受け止めてくれていた様に見て取れます。
この反応の後なので、ポスターは問題ないと思ったのかもしれません。
とはいえ、「人生最終段階」のポスターを「病院」に配布する予定だったとしたらちょっとデリカシーがなさすぎると思います。
一方で、このポスターは、受け入れられているというケースも多く見られます。
先日、冲永陸子先生(帝京大学)が学生に行ったアンケート結果やTwitterでは、
「受け入れられる」とする方もむしろ多い様な結果が出ています。
(詳細はこちらでは書ききれないし、それこそ対象や方法によるため割愛します)
年齢、環境など多くの属性が変われば変わるほど、この様相は変わると思います。
死に遠い場所であるほど、受け入れる人は多いものと推察しています。
それは、私自身がセミナーで体感しているからです。
その後メディア取り上げにより認知拡大をもたらした
この炎上の結果、経済雑誌を含めた他方のメディアに知れ渡り、テーマとして記事に取り上げられて行きました。これは、ある意味で、福音になったと感じます。
なぜ?必要になったかといえば、制度問題・経済問題・大きな社会問題からきているからです。それも、医療や介護だけでない多方向の。
今だからこそ人生会議
年末年始は多忙な世界から少し離れて節目として次の一年や未来を考えられる時間が取れます。
こうした時期にこそ、
「もしも」を話して欲しい、そう思います。
本当の「人生会議」専門家がいうところの「人生最終段階」については、こうした話をずっと伴走して考えてくれる医師・看護師・ケアマネ・介護士・ソーシャルワーカー・あらゆる専門職の中で「話せる人」「わかってくれる人」さえいれば、頼もしいはずなのです。
そうではなく、
突然の事態が起きたら、話せない状態になってしまったら
を想定して話しておいて欲しいのです。価値観と共に(一言で言うのは難しいですけどね)。
とても難しいので、作業として一番いいのは、かかりつけ医を探してみることかも知れません(ググればできる)。
ググって調べて手帳にメモしておくこと
1)病院の立地をチェック 地域の救急搬送病院を探してみよう
2)地域包括支援センター探し
ーケアマネ、介護認定、退院時の相談、施設の相談、入院についてなど相談できる拠点。
3)クリニック探し
ー地区の医師会では在宅医療を行うクリニックを紹介していると思います。
ー「地区名」スペース「在宅医療」いくつかピックアップして、サイト検索あるいは、散歩して場所の確認してみます。実はこちら、「通院」と「在宅」の両方を行っているかどうか知っておくと、間違いなく長年頼りになる「かかりつけ医」候補です。
ちょっと注意しておくことは、「自分の年齢より若めの先生がより良いこと」。
これが一番難しいかも知れません…。
4)訪問看護ステーション探し
5)くらしの保健室や自治体イベント探し
自分で自宅でできることも、スマホがあればできることは沢山ありますね。
というわけで、1年お世話になりました。
正直言って、私自身、人生会議談義には疲れが出てきています。気力体力が要ります。
正義でも公正でもなく、「満足」という尺度が、一番難しい。
勉強は続けますが、「専門家」と「一般」を行ったり来たりできる立場として
できることを考えていきたいと思います。
その一つだけ宣言します。
専門家の皆様、「人生会議」を受け止め、聴ける時間が必要では?
→長年話し続けて、「どうやって?」が全く整っていない気がしてなりません。どのようにACPを実践していくかについてのイメージの沸いていない病院が多いのではないでしょうか。組織としてACPをいれる難しさの一つです。
→2024年までにタスクシフティングが行われますが、それに合わせ仕事の形が変わるでしょう。時間と場所を作るために、まずは事務処理など、無駄にもったいない時間を削除して、「時間」を作る。これが一番現実的かな、と思っています。とても遠いけれど、チャレンジしてみます。
こんなふうに、沢山の温かい食事と温かい人たちに囲まれて話を聞いてもらえる時間が増えたら、医療従事者・介護従事者と語れる時間があるならいいんですよね。