医療・介護の鍵diary

健育社代表がガツガツほのぼの医療介護を語るページ

落合氏×古市氏の対談 :その後のコメント

私も密かに一筆させていただいた表題の対談@文春オンラインに付いて、

関東圏の在宅医療を担われている悠翔会理事長の佐々木淳先生が

クリニックのブログにてコメントされました。

お二人の敬意を示しつつも対談内容で2点は同意しかねるということ。

www.yushoukai.org

現場のリアルとエビデンスの確かさを通してその言葉の深みが際立つ。

(尊敬の念ばかりなり)

その他、多くの先生たちがTwitterなどを通して落合氏にコメントを寄せていたようです。そして、落合氏からも下記の内容が出されていました。

note.mu

 

と言うことで、議論に上がったことが本当によかった。

自らの職域の性質上、対談内容を記事にする際に「文字数」「ライターや出稿元の思惑や意図」が入ることは否めない。(文春オンラインと言う出元も考慮しつつ)

これを読んだ時、その事情がうっすらと感じ取れたので、かいつまんで否定することは私はしたくなかった。

 

なぜなら、

1)落合氏の「技術で社会に貢献する」ことには賛成している。この内容に落ち着いた背景があるに違いない。(要するに抜け落ちている何かがあるだろう…)

2)実は切り捨て理論は社会形成されているという耐えがたい事実がある

3)この対談の流れを大方支持する人が少なからずいる。

 

そこには、人間のもつ心理学的背景がある。

人は弱っていくことを望まない。自尊心高い方であればあるほど。

そこにある自分を想像できない。想像しない。排除する。

 

やはり新年早々、猪のように議論が進みそう。

この議論に参加されている人たちの集合知が結集されて欲しいし

その中で自分ができることを続けていきます。

なにせ、人類史上初めてのことだらけ。

猪さん1年走り回るのね?

【健育社】人生の最終段階まで「本人の意思」を尊重するために、今できることを

 

人生の最終段階における医療・ケアを考える1年になりそうです

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

2018年はいくつか「人生最終段階の意思決定」に関わる領域に大変化が起きました。 

 

1>アドバンス・ケア・プランニングの愛称「人生会議」が選ばれたこと。

「人生会議」してみませんか|厚生労働省

また、11月30日を人生会議の日と定めたようです。

(理想的な設定は年末年始やお盆の期間だと思いますが。)

2>診療報酬への反映…

行政がここに踏み切ったことが私にとっては驚きでした。

1>が出てきた背景として、2018年4月以降の医療・介護の診療報酬改訂に「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」により、本人の意思決定や代理人を話し合うことが盛り込まれたことがあります。

詳細は神田裕二先生の書かれたブログを参考にしていただけると良いかと思います。

Web医療と介護

*******************

2019年はこの話が次々話題になると思われます。

(本当は自分がどう伝えていくか塾考したかったのですが)

早速…いきなり文春オンラインにおいて、古市氏と落合氏の対談が掲載され、巷で話題になっているようです。

bunshun.jp

この内容に対し、医療ジャーナリストの市川氏が懸念を投じています。

news.yahoo.co.jp

少子高齢化」という複合的な課題 

この問題は、非常に複合的なものです。そもそもの前提が「少子高齢化問題」を先延ばしにした平成時代の罪だと思います。高齢化だけではなく、少子化をセットで行うこと。それをせずに過ごした30年。実は…もう、あちこちで待った無しです。2006年から消費生活アドバイザーとしての活動で頑張ってきました。その立場から、医療従事者の皆さんに投じてきた研修など諸々やってきましたが…。力及ばず。

 

これが一度に動き出す気配のある2019年。世論が高まることはライフワークとして行ってきた身としては御の字です。

 

社会保障内容と費用全般

医療費については、市川氏のおっしゃる通りで終末期の医療費に着目しただけで医療費問題は解決つきません。

使い方、使われ方を全般的に見てバランスを取る必要があります。バランスを取れるのは行政しかできないと思います。なぜならそこで報酬を得て生きている人たちのパワーバランスが出てくるからです。

(むしろ、利益ではなく、自分の未来の日本を真に考えてくれる高校生たちに議論してもらったほうがいいのではないかと思うほど。)

色々点で話したいことはありますが…。別機会にして。

 

ここで一番考えることは「人生の最期にどうありたいか」を考える・意思を伝える・語る文化を作り上げておくことではないかということです。質の問題。

 

人生最終段階の医療やケアは質・価値観の問題

質問題とする場合、今、死を自宅で迎えられる方はまだ全体の少数派です。

家族が受け入れられるだけの力を持てない状態・不安な心を支えきれない。

実は自宅で亡くなりたい人の方が多い(アンケートでは6割程度が自宅を希望)のに。

死が身近でない社会。自分事として考えられなくなってしまった日本の状態。

どう生ききるのか、自分でHappyな終わり方って何だろう。

映画のエンドロールが流れる間に

送った人が「よかった」と言うのか「これでいいの?」とモヤモヤするのか。

というような質の問題です。

そもそも、皆、人は死にたくない。怖い。

だからこの話題から気持ちを背くこととなります。

そして、

「自分が老い、できなくなるという状態、輝いていた時代と異なり、自律を失う自分を想像することさえ受け入れ難い」

ことが裏側の心理としてあります。

 

この時の質を高くするには、

● 精神的にも社会的にも満たされること

● 自分の尊厳を保てること

そして、この2つは、個々それぞれが何を求めるのかを示さない限り、そのようになりにくいこと

⇨だから、大切な人に、書いて、伝えておく

=人生会議

ということなのでしょう。

「あなたにとって、尊厳って何ですか」

「あなたにとって精神的にも社会的にも満たされた状態は何ですか」 

これ、医療じゃないでしょう。

(とはいえ、モヤモヤするのです。)

 

生き方、逝き方、日本を全員で考える1年になりそうです。

私は樹木希林さんのようになりたいですが、まだまだジタバタするのでしょう。

やはり怖いから。だから、安心して語れる医療従事者、介護従事者を見つけたいのです。

だるま落としはお得意です

 

【調剤薬局様向け】伝達力講座開催 にあたり 0期生募集

お申込み・お問い合わせ | 株式会社 健育社

2018年12月23日

株式会社 健育社(代表:畑川郁江)は、製薬企業の医薬品情報提供活動ならびに医療や介護分野で拡大が予想される「オンライン診療」「オンライン服薬指導」に必要な発声スキルを学べるオンラインコンテンツの提供を開始します。

一般的な受動的なe-learningと異なり、講師のみならず、研修参加者全員が参加し投稿や情報交換などにより構成されるため、本プログラムのテストランニングとして、この度「0期生」としてご受講いただける調剤薬局ご勤務の薬剤師の方ならびに法人様を「周知の皆様向け(SNS等)」に特別価格にて募集します。

 

●対象;薬剤師、薬局法人様

●お一人様トライアル価格;10,000円(税別)

(薬局法人様全体のご参加の場合、人数により別途検討します)

●受講期間; 1ヶ月(開始予定;1月12日(土)〜2月9日(土))

●システム稼動を始め、運用の解決と改善のアドバイスをいただきます。

●参加者様の感想・ご意見を踏まえて、1期を3月21日より本システムによる研修を正式展開します。

お申込み・お問い合わせ | 株式会社 健育社

🔷健育社の研修

 健育社は、2013年より製薬企業向けのコールセンター並びにMRのオンラインを通した製品情報提供活動のための「発声」「伝達力」、「コミュニケーションスキル」研修を司会・アナウンサー業を本業とするプロなどを起用し受託してきました。

この研修内容を基本としてコンテンツ化し、今後の「オンライン服薬指導」、「オンライン診療」に必要な基本的対話スキルとして、今まで対面集合形式で展開していた研修をマイクロラーニング形式を導入し展開します。

※マイクロラーニング形式とは、プログラムを数分のコンテンツごとにまとめ、気軽に視聴、受講できる双方向システムです。PC及びアプリでアクセスでき、講師との双方向に加えメンバー共有・共感も可能で、フィードバック、コミュニティで学び合えるシステムを採用し、面展開を行います。

こスムーズにオンライン服薬指導、オンライン診療を行える「人」の育成にご支援します。

●オンラインのほか、集合研修も今まで通り承ります。

●マイクロラーニング導入のメリット;

多忙な医療・介護従事者の時間の研修時間確保をできる限り隙間時間に確保し自己の説明スキル向上を目指すことができる。

隙間時間にどこでも受講可能であり、かつ、企業の研修スタイルに応じて対面の集合研修との組み合わせも可能となる。

新人導入研修での全員実装のスキル、新たにオンラインでの情報提供活動を行う際の基本となる。

 

引き続き、製薬企業様向けの研修も承ります。

お申込み・お問い合わせ | 株式会社 健育社

協力企業、法人の様の募集

弊社は少数精鋭で事業をプロジェクトごとにまとめて得意とする分野の方の集合にて事業を提供します。この先のオンライン診療やオンライン服薬指導に関する研修事業について、展開活動にご支援いただける個人および法人様を募集します。

 

keniku.jp

悲しい存在感

発売前の担当獲得のためのコンペに際し、様々な情報提供と支援を行った広告代理店様のご担当より久しぶりにお電話を頂戴した。

 

この医薬品はもう発売され、一連の資材展開はすでに終わり一段落している。コンペで勝ったとの連絡もなければ、その後の資材作成の支援協力についても連絡がなかったので、まあ人が十分に足りているのだろうと思っていたし、

連絡がないというのは私の労が不要であるということだと認識していた。

 

 

私のような仕事は、

 

忙しいから助けて!

 

という時はニコニコ関係性を作ってくださるが、

多忙期を超えると何もなかったかのように連絡も来ない、

ということが当たり前の

「ちょっと悲しい」

関係性しか感じられない世界である。

 

自分の存在ってこんなもんだ、と思わざるを得ない日々を平然と送るのですから、なんて精神的に強くなったのだろう。

 

私の関わる薬は、必ずその治療領域において自分を活かすことができるのかという視点にたち引き受ける。

また、その医薬品が個性的で患者さんに望まれていることが多いので良い薬に巡り会えたという感謝の気持ちしかない。その中で仕事をする。

 

(でないとやってられないのである)

 

今回の電話は一連の仕事が終わってしまったというのに、お礼も仕事がないという連絡さえもしなかったから申し訳なかった、というお詫びだけだった。

 

(仕事があるのかとおもったのですが残念ね)

 

。。。そのご担当自身が気づいたのではないだろう。

おそらく、ある人から言われたんじゃないかな。

あるいは受け先で私を知る人が私の名前を言ったか、

年賀状リストで見つけて思い出したとか、そんなところかな。

 

それに対してしっかりとお詫びの電話をくださるなんて、ある意味でありがたいことです。

 

存在の薄い人という生き方は、結構強い心臓が必要なわけですね。

 

ゴミのように不要にされたとしても、

手を加えた製品が、今患者さんのところで役に立っている、

笑顔を与えられているのであればいいのかな、

 

と、自己満足ですが感じます。

とても寂しい存在ですね。

 

この先、医療用医薬品の広告資材のあり方も大きくかわってくることでしょう。

医薬品の情報提供方法も変わってくることでしょう。

MRもどんどん減っていくことでしょう。

 

すると、どのように情報を伝えていくのか、

医療機関の広告もしかり。

 

あまりにも突然でしたが、電話という連絡方法でお詫びをくださった方に、

そしてその方に恐らく「連絡してないのか」

とぐさっと話をなさった方に。

 

御礼申し上げます。

そして

 

医薬品広告代理店の方、いま仕事は充実していますか?

満足していますか。

 

そのまた上のクライアントにも。

 

2018年師走の午後の出来事でした。

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京都201の

 

ボヘミアン・ラプソディーからAIDsを振り返る

映画 ボヘミアン・ラプソディー効果がテレビやラジオで凄い再生回数をあげていますね(体験的に感じているだけでは無いと思う、ここは調べません。笑)

自分の脳内再生回数もQueen増加中…。

 

そして11月25日はそのフレディ・マーキュリーさんの命日だったようですね。

医療業界ではこの時期に話題をさらっていた疾患。AIDS。

お亡くなりになった1991年当時のAIDSはまさに危険な臭いしかない不治の病でした。

それも、血液・体液による媒介のため、

※ 血液成分の点滴による医原性のもの

※ 性行為による体液感染

との2本立てでした。

とくに増加をみせたのは1対多数の感染源としてゲイ、ホモセクシャルの社会。

これにより様々な偏見が一層広がりました。

 

まず、医原性のものにおいては、献血ベースでの検査が導入され、そのルートリスクはなくなったと言ってよいでしょう。

しかし、後者は秘密性が高くじわじわと広がりを見せ続けました。

 

日本におけるHIV感染患者、AIDS発症患者数は累計27,000人を越えました。(2016年)

世界では3670万人、年間新規患者数180万人、100万人が年間死亡。

 

日本では年間1500人が新規感染あるいはAIDs発症していてまだまだ克服するまでには到っていません。

(出典国立感染症研究所

 

治療薬の発展により継続治療で十分に人生を全うできるまでに

フレディが亡くなってから27年がたったいまでは、原因Virusをどれだけ静観状態にするかというところまできています。

ただし、適切な治療を継続し続ける必要があります。なかなか毎日薬を飲み続けることが難しく、現在では治療の継続、その人たちのQOL向上、適切な知識からこれ以上感染者を増やさないことに力が注がれています。

また、生活者としての偏見をなくすこともそのひとつです。

 気になること

日本人の感染ルートについて、在住アフリカ人との性交渉などが報告されており、あらゆるルート(と言っていいと思う)ありです。

気になっていることは「アルバイト」としてパパ活などと言って簡単に性交渉に手を出しそうなJKや女子大生がいそうなこと。

数時間食事を見知らぬオジさまと過ごして●万円。

食事だけならいいかもしれない?ですが。

日本では長年HIV感染症の新規登録が1000人を超えたままです。

梅毒患者の増加も不気味すぎますが、海外渡航者の増加が見込まれる中、学校、社会全体で性教育についても見つめ直す時期かと思っています。

(おじさん教育も必要?)

 

そして、 12月1日は世界エイズデー

今、フレディが生きていたならば、きっと多くの夢と希望を与えていたのでしょうね。 

TOBIRAカードを作った自分を振り返る②

何枚かあるカードから1枚を選んでめくる という行為。

実はこの行為自体が本人の「決定」によるもの。

 

更にそこに書かれている言葉について思いをめぐらす。

 

「子供のころのおやつ」

 

は、誰しもが楽しくその当時を思い出し、次々と語りだす。

なつかしさと共に時代背景、子供時代の様子がそこここに出る。

語る時の皆さんの顔には笑顔が必ずある。

 

周りの方たちのおやつにも耳を傾ける力が強い。

無関心で通らず、聞く側も真剣だ。

なぜだろう。

 

何よりも楽しみで何よりもおいしくて、懐かしい。

 

その周りの風景。仲間。家族。そして自分のワクワクする気持ち。

 

こうした昔の記憶、今までの一つ一つのイベントに対しての記憶。

全てが全て心を動かす。

人生最終段階まで。

*************

人生最終段階にこうした幸せな思考が継続できれば、

幸せな瞬間を思い起こせるように5感を刺激できれば、

その人の時の流れを幸せにできる。

 

たとえ、体が動かなくても、息さえしていれば香ることができるだろう。

肌に触れれば感じることだろう。

 

それを目指したのです…。

でもまだそれをうまくご利用いただいているところは少ないな…。

 

とほほ。

tobira.s

 

 

TOBIRAカードを作った自分を振り返る ①

TOBIRAカードを最初作った目的について、自分を振り返る機会をいただきました。

当時から医療・介護の意志決定支援、アドバンスケアプランニングACPの啓蒙を掲げ、

終活のフィールドから関心ある「一般の方」向けに行ってきました。

 

*********** 

突然、命にかかわる病気を目の前にして、ショックを隠せない。

藁をもつかみたい、医療の方たちに「何とか助けて欲しい」

という気持ち。

 

「大丈夫だよ」と本当は言って欲しい。

 

という心細い中…。

なのに。

 

残酷にも

医療で「人生の最終段階」の意思を求められる 

 

 

この流れはいよいよ加速度的になってきた。

なぜなら「診療報酬」に絡んできたから。

 そうなるだろうと思っていたがあまりにも突然だったし、

医療従事者さん達、特に急性期病院の「命を救う側」が

我も我もと学び始めた。

 

世の中お金だね。

 

と思う瞬間だった。非常に残念でもある。

 

でも、1つ考えて欲しい。

必要であることは私自身理解しているし、だからこそ、経営上赤字分野であるけれど取り組んでいる。

 

ただ・・・それは患者志向ですか? 

 

急性期医療で、決まった入院期間から退院するときにそのタイミングで行う事って

どうなの?

ようやく回復して、退院して行くとき、がんばればなんとかなる

と思いたいときに。

どうなの?

逆にそれを言われたら。

どうなの?

 

医療側からでは、三行半になってしまう。

 

 

だから、どうするかもっと前から、元気な時に少しでも関心を持って考えてみて。

医療は今どんな状態かを知ってみて。自分のこととして少し考えてみて。

 

という事をお伝えしていくと、

 

いかに、息を引き取るまで「生きる」のか、を見つめてみましょう。

やりきる、いききる

 

ということになります。

 

結果的にはその人がその人らしく生き続けられるかに依存するのです。

 

すると、「その人らしさ」は、何?

 

医療・介護の専門家に聞いたって出てくるはずはない。

 

その人じゃないから(笑)。

 

でも、命を終わろうとするとき、接点が極大化するのは医療・介護の人たちばかり。

つまり、自分のことをどう伝えるかによるのです。

 

…がしかし。

自分の事を伝えられているか、もう、話すのもどうも面倒だし、知っててよー、

なんて思ってしまう高齢者の方は多かったように思います。

でもね。

 

無理。

 

ほんと、無理。

驚くばかり時空の出来事を捉える場所が違うのです。人・年齢・経験・環境によって。

 

 

 

ー医療や介護は「本人が軸になり」「周りの人たちとともに」暮らす生活を

専門的に「生活の中で」サポートする

 

ということになります。

その時に知っていると良い事が このカードの

「なげかけ」

に詰まっているのです。

 

すると、この投げかけにより起こる様々な副次的な効果が沢山でてきました。

(次は副次的効果…)

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