医療・介護の鍵diary

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臓器移植の話題が出てきて前から思っていたこと

今、Twitterで、ZOZOの前野社長の寄付について議論を読んでいるようです。

こちらのブログで医師の方が綴っておられます。

https://kaigyou-turezure.hatenablog.jp/entry/2019/07/03/193556

 

私は時々「〇〇ちゃんの心臓移植のために寄付を」

というメッセージや訴えが起こるたびに思います。

 

「そもそも、これだけ医療が進んでいる日本でなぜ海外でやらなきゃならないのか?」

 

ということでした。

 

臓器移植が進まないのは「ドナー」不足であること。

ブログの医師の方のおっしゃるように「臓器移植に関する意思決定」を示している方は

1割程度しかいないとんこと。

 

よくわからないので、示すことができないし、向き合いにくい内容なのだと思います。

 

これを変えるには、仕組みを変えることだけでできると思います。

ことが「自分ができること」として一番最初にすることをデフォルトにしていくことが

臓器移植を推進させると思っています。

 

「臓器移植を望まない人に申告するようにする」

 

つまり、申告しない人は皆臓器移植の対象とするということです。

難しいとは思います。

が、日本が国民皆保険をこのまま進めていくならばこうした制度を取り入れることは

全体像としては適切ではないかと思います。

 

一つ一つの制度を作り上げる専門性はありますが、全体像を考慮した俯瞰的検討は必要だと思うのです。

この話題は、もともとダークサイド、倫理的な側面もありますし、価値観にも繋がり個別性の高いものです。

選択の自由があることと制度をよりよくする上では重要ではないかと思います。

データヘルスを国が行うために新たな仕組みを取り入れるならばこの話題もひとつ議論の内容に入れてはどうかと思います。

 

ただ、不思議なのは、過去は臓器移植に対する意思はご本人の意思が尊重されることになっていますが、今は、最後は家族の同意が必要になっています。

こちらは免許証の裏面。

臓器移植の意思表示を示す箇所があります。

左2010年 右2015年 の免許の裏側

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2010年よりこの欄が設けられ、順次更新で免許証には新たに臓器移植の意思表示が

記入できるようになっています。

 

そして、臓器移植の意思については、家族に委ねられます。

そうはいっても、法律としては、最後は家族の判断になります。

このことも、臓器移植の機会を減らすことになってしまう一つの要因になっています。

 

以下は、(公社)日本臓器移植ネットワークより

 

必ずしも、家族の署名はなくても有効です。臓器提供の意思があることを家族が知らないと、万が一の時にあなたの貴重な意思が活かされない可能性があります。
   また、本人の意思が不明な場合は家族の承諾で臓器提供が可能です。自分の臓器提供についての意思を家族に伝えることを目的とした署名です。
   自分の最期を看取る家族などに署名してもらうとお互いの意思の理解に役立ちます。
   実際には、臓器移植コーディネーターから詳細な説明をさせていただいた後に、家族の総意としてお返事をいただきます。このとき、一人でも反対の方がいれば、臓器提供はできません。

 

 

どんどん「できない」状態を作るよりは

臓器移植の意思はむしろ、NG、「絶対移植されるのはいやだ」

を申告するような仕組みにすれば、その割合は変わるのかもしれないと思います。

 

どのみち家族が判断することとなるわけですし

本当にいやなら「いや」と伝えるだけ。

そうすとドナーはグンと増え流のではないかと。

 

わざわざ、何億も集めずに

日本の優秀な移植医にお願いすることができ、子供達の未来を照らすことができるのではないかと思うのです。

 

 

欧米では臓器提供や死後の脳バンク提供などは「GIFT」と言われています。

GIFTでいいのではないかな。

 

そんな議論の前に、「臓器」が作れる時代が来るのかもしれません。

実用化はいつになるでしょうか。

 

ドナーカードへの記載や登録を促進していくこと

デフォルトを変えてしまうこと

このどちらが早いでしょうか・・・。