医療・介護の鍵diary

健育社代表がガツガツほのぼの医療介護を語るページ

医療・介護の過去・現在・未来を3日で旅した

タイトル通り「情報の管理」について考えさせられた3日間。

 

●過去:紙カルテ 院内処方 アナログ完結型

自分の「耳鳴り問題」で耳鼻科に通院しました。

通院歴はありますが、かなり前なので、診察券も持たずに伺いました。

「カルテありましたよー!最後は7年前ですね!」

と看護師さんが一言。

「紙」の立派な私のカルテは、7年間その耳鼻科に現役で保存されていました。

そして紙カルテに次々と記される情報。

聴力検査(標準純音聴力)とティンパノメトリー(鼓膜・中耳の働きを診る検査)を行いました。

若干の異常ありでもきにするほどの状態ではない。鼓膜に問題はない。

炎症も私の主訴ほどひどいわけでもない。

そして、薬物療法をどうするか、という話となり、「別に出さなくてもよさそう」

というオーラを受けつつ、少しは良くなりたい、と処方を受けることにしました。

 

実はこの耳鼻科は「院内処方」。

そのままカウンターで処方薬の説明を聞き、診察が終了となりました。

 

「データはいただけないのですか?」

「ええ、普通は渡しませんね。」

「わかりました。」

という対話の後、診察室を出たのですが、薬とともに「検査データ」の複写を

下さった。

アナログ完結型のクリニックにある意味新鮮な気持ちになりました。

…意外にラクラク。 

…患者にとって楽だよこれ。7年前のカルテもすぐ出てきて、診療してくれて薬もデータもいただいた。

電子化って…良いのか悪いのか。悪いのか良いのか。

 

…ただし、耳鳴りは年齢だし、という言葉。…まあいいか。年齢だし(笑)。

→その後、処方いただいた軟膏で掻痒はなくなり(安定のステロイドフラジオマイシン軟膏)、ビタミンB12他、服用しました。もっと早くいけばよかったと反省しきり。

 

●現在 …訪問看護師さん同行 iPadでサクサク管理・シンプル管理

数名の訪問看護に同行させていただきました。

細かなことはさておき、iPad をスタッフ全員が持ち、情報をソフトに入力し

バイタルの入力はすぐ現場で終了。その後のケアもスムーズに。

車に戻り、情報の整理、報告事項のまとめ、などを手早くこなす。

情報を更新する。

手早く、シンプルだった。

患者さんのケア、家族との対話ともに大切にゆっくり、ペースをあわせて話していく。患者さんやご家族が信頼している姿がすぐにわかる。

名前をしっかり覚えてくれていて、「心から」お礼を述べている。

望む医療、望む情報、望むケア

医師・看護師の訪問は、ご本人、ご家族ともに待ち望まれている。

最後に訪問した患者さんとお別れに握手をした。

 ステキな女性でした。

 

データ管理を総括する事務方がおられるので、スケジュール管理もうまくいっている様子(患者さんが多いのはさておき)。

あとは、セキュリティの考え方、労務管理の考え方など、経営的な側面でのITの使い方と捉え方は日々当たり前ではなく、他はどうしている?などの情報シェアや学びの場があるといいのだろうということが、より明確となりました。

つまりはこのセミナーは必要だと感じました。

 

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●未来…予防、デバイス

18日はMedtechに。

 

展示会概要 | 医療機器の製造・開発 展示会・セミナー Medtec Japan |東京ビッグサイト

 

未来に導入されていくであろう技術、IoT、データヘルスの未来、医療・ケアの未来を考える時間。

「そんなありえないだろ」

と思ってはいられない。今、高齢化率は激増するがそれ以上に生産人口の減少を無視できない。生産人口の1人1人が介護をささえなければならない現実はもうすぐそこに来ている。

「IT、自動化」を次々と導入していく環境を早くつくる。

積極的に導入し、時間を短縮・簡素化する。やれること、やらないことを分ける。

そしてできた余裕で、人と人とが「対話」する。疲弊するくらいなら導入だと思っている。

 

 

介護を負担とさせない世界。 

介護を受けるということが楽しい場所に行く、楽しくすごす、有意義に過ごす

そういった視点を感じて欲しい。

ある学識者とイノベーションの会議で当方が語ったとき、

参加者の皆さんは「自分が向かう場所」として、介護施設を捉えはいない様子だった。

そうではない。

自分たちがその時楽しめる場こそ、理想の姿だ。

もう少し、自分事と考える人たちが増えて欲しい。こと30代、40代の人には。

聞く耳だけでも、持ってほしい。なぜなら、本当に数十年後には自分がその場の主人公となるから。

 あらゆる課題の中でとても大切と感じている「救急車稼働問題」

救急車の稼働をひと目で確認できるアプリ、システムを提供している

バーズ・ビュー株式会社様 

www.birdsview.jp

e-MATCH  のお話、見守りIoTシステムのご紹介、更に災害用ドローンなど、多くの未来を感じさせていただきました。

 

そのうち前者2点は未来とはいえすぐにでも導入が待ち望まれるシステム。

救急搬送のうち、なんとおよそ半数は「軽症」という事実。

本当に必要な人に届いているのか…。

東京消防庁<安全・安心><トピックス><救急搬送データからみる高齢者の事故>

 

 

いくつかの技術の変化を楽しく、活用していきながら、医療や介護に繋がる仕掛けやアイデアを発信していきたい。

出会ったパイオニアたちの声を少しずつでも発信していきたい。

 

そう思った3日間でした。

 

そしてまた、薬剤師としての役割りを考える良い機会ともなりました。