医療・介護の鍵diary

健育社代表がガツガツほのぼの医療介護を語るページ

COPD (慢性閉塞性肺疾患)の認知度が高まらない…

当方、COPDの治療に裏方として長年関わってきています。

  • 40歳以上である
  • 現在、または過去に喫煙歴がある
  • 次のいずれかの症状がある (体動時に息切れがおこりやすい、慢性的な咳・痰、頻回に風邪の様な症状がある)

この条件に該当する場合、COPDが疑われ、検査したほうがいいと言われています。

 

COPDの患者の約90%は喫煙者ということもあり、タバコの病気ともよく表現されています。タバコを吸う人が突然走ったり、階段を上ると「息切れする」ことがあるなら少し心配。酸素をうまく取り込む機能が落ちているという状況の現れです。主な症状は「息切れ」…なのですが、普通に運動不足や加齢でも起こることだからこそ、今一つ症状もはっきりと出てこないまま病気が進行していき、気づいて病院で診断された時には既に進行していることが多いのです。

タバコが引き起こす病気として肺癌などは良く知られていますが、COPDもその代表。

そして、現在では、日本の80~89歳男性の死因の第5位に登場する疾患です

厚生労働省:死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

 

厚生労働省の健康日本21(第2次)目標項目において、がん、糖尿病、循環器疾患と並んで、COPDは取り上げられているくらいの問題ある病気なのです。

…が。そもそも知られていない

という地味な現状。

 

平成23年の認知度は25%で、平成34年に80%に向上させることが目標として挙げられています。

 

し、しかし…。

 

平成23年の25%から平成29年まで間に約25%~31%の間をさまよう程度の認知度に

留まっています。(N=10,000、聞いたことがある、どんな病気か知っているの合計)。 

www.gold-jac.jp

 

ちょっと残念ですが、常にこの結果について、仕方ない…と思う事も多々あります。

もちろん、知っていただきたいと願って活動してきた人の一人であるわけです。でも

 

●極めて症状として 認知されにくい 

●極めて徐々に、そしてサルコペニア(筋量・筋力の全身性低下)や骨粗しょう症、骨折、などが次々現れるので、それまで気づかない

●喫煙者の生活習慣の改善に介入が難しい

(意思で喫煙している、ニコチン依存症の問題)

などが絡む いわば 地味・マイナー、とも思われる疾患

なのですね。(言い過ぎでしたらすみません)

そして思うわけです。

 

これは考え方次第なのですが、喫煙して循環器疾患や糖尿病、がんに罹患せず、喫煙も沢山し続けて、80歳代で初めてその症状が露呈されるというならば、ある意味すごい頑丈な体力の持ち主で人生を自由に好きな事をして真っ当に過ごせた人なのではないかという見方もあるのではないかと思うのです。

(言い過ぎ御免)

ただ…。苦しいですよ。息切れが続くというのは。

動けなくなるのですから。

一歩も踏み出せないのです。苦しくて。

 

この領域で奮闘する先生方は、おタバコを止めていただく方法に

どんどん介入が始まっています。

私も何かそこで活動したいですね。

それはなぜか。

 

私の父はCOPDで亡くなりました。

私の周りの大切な人たちの多くは「喫煙者」です。

行動変容 できないのですよ。

そう簡単に。

 

この呪縛からは抜けられもせず、果敢に向かい合う宿命にあるようです。

天命、とは思いたくないですが。