医療・介護の鍵diary

健育社代表がガツガツほのぼの医療介護を語るページ

深く頷いた書籍 

霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか (講談社+α文庫)

こちらの書籍は、「幸福学」で知られる前野隆司先生(慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究所)が書かれたものです。

 

「死」の現象を「怖い」という感情にさせる背景を生物学的に解釈していきます。

 

 

あまり簡単に言ってしまってはいけないのですが。

 

生物が「生きる」を維持するために、恐怖や不安、痛みなどがあるから

 

ということだそうです。深く納得。

つまり、怖くて当たり前なのであって、うまく付き合うということに

なるのかな、と思っています。

 

怖くて当たり前。次はどう考えるか、なんですね。

 

前野先生が「幸せ」についての研究をしていると同時にこうした書籍を書かれていることに驚きました。

死に向き合っていることにも感銘し、かつ、思想的な方向ではなく生物学的な現象から紐解いていきます。

私がずっとうまく言えなかった言葉がここに全て出てきていました。

 

2019年に出会った書籍ですが、

幸福を語る前にこちら側を読むと、幸福学という学問を学ぶ前提になると思っています。

 

霊魂や脳科学から解明する 人はなぜ「死ぬのが怖い」のか (講談社+α文庫)

 

高齢者住宅・有料老人ホームなどで運営者と入居者がうまくいっている場所の特徴

私の「知る限り」とお断りしてのお話です。

いわゆる「高齢者住宅」を展開している事業者様、経営者様のお話を伺いながら感じることがあります。

それを忘れぬうちに書き留めたいと思います。

 

入居紹介が「勧誘」「営業」になっていないこと

言い換えれば、納得して入居できるかどうかの意思決定プロセスを適切に行なっていること

 

です。

 

施設見学の時に、「施設の方針」「信念」「看取りへの思いや考え」「できること、できないこと」

を包み隠さずにはっきりと伝え・受け取られているか

 

のように思います。

 

そんな、当たり前じゃないのか、

と言うかもしれませんが、その深さが違うように思います。

 

私たちは、当然ながら転倒の予防に備えています。

しかし、今のリソースでは2時間に一度の見守りを行う人材の中、

転倒が起きてしまうことはゼロにはできません。

 

ゼロにするならば、残念ながらご本人を拘束せざるを得なくなります。

私たちはそれはご本人の尊厳を守っているとは思えません。

故意ではない転倒が起きてしまうことがある、と言うこと

誰しも転びますし、怪我も時に起きてしまいます。

 

「ご本人の意思がある以上、行動にできる限り制限をかけないことをお許しいただけるかどうか、その場合は怪我もありうることをご理解の上、ご検討ください。」

 

と、言い切るそうです。

 これは、職員も利用者さん両者の「尊厳」の価値観に対する同意だと思います。

 ここができているかどうか。

 

人生の最終段階を送る「場所」について、一般的に6割が「できれば自宅で」

とアンケートなどで回答しています。

最近では私は「集合多世代住宅」に住みたいと思うようになっています。

 

その時は上記のような関係性が見える場所がいいなと思います。

(写真以下投稿内容とは全く関係ありません)

こちら新しい渋谷の象徴「渋谷ストリーム」(2019年12月撮影)

新しくなった銀座線渋谷駅にはまだ行ってないですが、しばらく渋谷の予定はないな…。

 

2020の初チャレンジは?

革が大好きで使い続けた長財布。

かれこれ2005年くらいに買ったのではないかしら?

FREE HAND | オイルレザーを中心とした本革のクラフトマンズショップ

多機能財布

freehand-bag.jp

なんでも入って便利でした。

ショップのある「代々木」に行くたびに立ち寄っては購入。

私の定期入れも革のバックもこちらのものが多いのです。

しばらく行けてないけれど…。

 

この多機能財布の革がいよいよ疲れてきてしまいました。

そこで、「長財布」にするか、あるいはこの先の未来を考えて…!

最小化をしてみることに。

誕生日に自己購入(とほほ)。息子に選んでもらいましたが、悩みましたよ。

本当に、あの長財布に入っていたものをこのサイズに縮小できるのか?

 

本日、初めて恐る恐る(笑)使ってみました。

すると、一度に買い物をするスーパーなどではこんな状態に。

 

新しい習慣宣言として…。

1)レシートを毎日整理整頓すること。

2)経費の領収書も整理整頓を毎日すること。

そして今、ここで重要選択肢の登場。

(今頃?と思う方すみません)

Apple Pay - Apple(日本)

Google Pay(日本)– ポイントも支払いもこれ 1 つで

 

この二つの一つが悩ましい限りです。

iPhoneにはGoogle Payは無理みたいです(アプリがない)。

となると、iPhoneユーザーにはApple Pay ということか。

そして、VISA  MASTER他、使える銀行系なども使える・使えない

自分が使っていた・使っていない、という関係性とは

微妙に行ったり来たり…。

 

そして、QRコード決済の方は…。

いよいよPay Pay導入を検討しようかと。

 

何気なく?両方に卒なく入っているのは「Suica」。

 

カードの使い分け(というよりそろそろ整理どき?)など、

パズルを嵌め込むような感じになっている私でした。

 

PC周りをみると、端末関係はMacを使い、動かすのはGSuiteで運用。

 

ビジネスエリアではどういうわけか、 Microsoft製品群…。

…使い分けとはいえ悩ましいところですね。

 

ということで本年もよろしくお願い申し上げます。

長い間、ずっと一緒にいてくれてありがとう。本当に。

 

2019年に頷いたお話と書籍

医療ケアを問いなおす ──患者をトータルにみることの現象学【シリーズ】ケアを考える (ちくま新書)
 
在宅医療・ケアをしている方にお勧めの一つです。
ふに落ちることが沢山入っていました。

人生会議をするのは年末年始

振り返り未来を整える時期だからこそ

2019年の振り返り。

令和。今年は、「人生会議」の啓発元年でした。

いよいよ啓発の年になったけれど、国民視点はどうなんだろう?

 

定義そのものを含め、

相当の配慮が必要だと思っていましたが、

結果的には、2019年の11月30日の「人生会議の日」に向けての啓発ポスターを巡って

炎上と共に多くの議論が湧き起こりました。

 

ポスターをすぐに取りやめることについてはやむをえない対応だったとは思いますが、

あのポスターをするからには、

 ーA Bテストなど属性を多岐にあててリサーチをかける

 ーポスターの対象者と設置場所について再検討する

 ー啓発告知方法も含め慎重を期する

必要があったと思っています。決めたらならば続ける覚悟も必要だったでしょう。

 

実は、11月より以前から、人生会議の啓発は行われています。

 

8月に札幌にてイベントが既に開かれ、イベント参加者の観客の方たちは、メディア情報からは受け止めてくれていた様に見て取れます。

laughmaga.yoshimoto.co.jp

この反応の後なので、ポスターは問題ないと思ったのかもしれません。

 

とはいえ、「人生最終段階」のポスターを「病院」に配布する予定だったとしたらちょっとデリカシーがなさすぎると思います。

 

一方で、このポスターは、受け入れられているというケースも多く見られます。

先日、冲永陸子先生(帝京大学)が学生に行ったアンケート結果やTwitterでは、

「受け入れられる」とする方もむしろ多い様な結果が出ています。

(詳細はこちらでは書ききれないし、それこそ対象や方法によるため割愛します)

年齢、環境など多くの属性が変われば変わるほど、この様相は変わると思います。

死に遠い場所であるほど、受け入れる人は多いものと推察しています。

それは、私自身がセミナーで体感しているからです。

 

その後メディア取り上げにより認知拡大をもたらした

この炎上の結果、経済雑誌を含めた他方のメディアに知れ渡り、テーマとして記事に取り上げられて行きました。これは、ある意味で、福音になったと感じます。

なぜ?必要になったかといえば、制度問題・経済問題・大きな社会問題からきているからです。それも、医療や介護だけでない多方向の。

 

今だからこそ人生会議

年末年始は多忙な世界から少し離れて節目として次の一年や未来を考えられる時間が取れます。

こうした時期にこそ、

「もしも」を話して欲しい、そう思います。

 

本当の「人生会議」専門家がいうところの「人生最終段階」については、こうした話をずっと伴走して考えてくれる医師・看護師・ケアマネ・介護士ソーシャルワーカー・あらゆる専門職の中で「話せる人」「わかってくれる人」さえいれば、頼もしいはずなのです。

 

そうではなく、

突然の事態が起きたら、話せない状態になってしまったら

を想定して話しておいて欲しいのです。価値観と共に(一言で言うのは難しいですけどね)。

 

とても難しいので、作業として一番いいのは、かかりつけ医を探してみることかも知れません(ググればできる)。

ググって調べて手帳にメモしておくこと

1)病院の立地をチェック 地域の救急搬送病院を探してみよう

 

2)地域包括支援センター探し

ーケアマネ、介護認定、退院時の相談、施設の相談、入院についてなど相談できる拠点。

3)クリニック探し

ー地区の医師会では在宅医療を行うクリニックを紹介していると思います。

ー「地区名」スペース「在宅医療」いくつかピックアップして、サイト検索あるいは、散歩して場所の確認してみます。実はこちら、「通院」と「在宅」の両方を行っているかどうか知っておくと、間違いなく長年頼りになる「かかりつけ医」候補です。

ちょっと注意しておくことは、「自分の年齢より若めの先生がより良いこと」。

これが一番難しいかも知れません…。

4)訪問看護ステーション探し

5)くらしの保健室や自治体イベント探し

自分で自宅でできることも、スマホがあればできることは沢山ありますね。

 

というわけで、1年お世話になりました。

 

正直言って、私自身、人生会議談義には疲れが出てきています。気力体力が要ります。

正義でも公正でもなく、「満足」という尺度が、一番難しい。

 

勉強は続けますが、「専門家」と「一般」を行ったり来たりできる立場として

できることを考えていきたいと思います。

 

その一つだけ宣言します。

 

専門家の皆様、「人生会議」を受け止め、聴ける時間が必要では?

→長年話し続けて、「どうやって?」が全く整っていない気がしてなりません。どのようにACPを実践していくかについてのイメージの沸いていない病院が多いのではないでしょうか。組織としてACPをいれる難しさの一つです。

→2024年までにタスクシフティングが行われますが、それに合わせ仕事の形が変わるでしょう。時間と場所を作るために、まずは事務処理など、無駄にもったいない時間を削除して、「時間」を作る。これが一番現実的かな、と思っています。とても遠いけれど、チャレンジしてみます。

 

こんなふうに、沢山の温かい食事と温かい人たちに囲まれて話を聞いてもらえる時間が増えたら、医療従事者・介護従事者と語れる時間があるならいいんですよね。

 

 

令和の10,000人の第九

今日の夕方より2019年の一万人の第九がテレビ放映されます。

私も1万分の1として歌いました。

 

8割が関西(大阪エリア)。残りは、北海道から沖縄まで、そして海外からも参加しています。初めて第九を歌う人は12回のレッスンを受けてのこの会場入り。

私の席からはこんなビュー。天井に近い方でテレビではおそらく映りません(笑)。

一万人の第九は、合唱を極める方にとっては「邪道」と感じます。

その通りなのですが、このイベントの面白さがいくつかあります。

 

1)緩いつながり:かなりの人数の方が一人申し込み。合唱団という団体参加以上に個々が個々の意思で集まり、第九を奏でます。

 

2)同時に10000人が声を揃える、ここにしかないこと

しかも合唱で。コンサートは受け身ですが、ここでは、参加者全員で作る。それもこの人数です。正直なところ、3回参加して、今回のメンバーは「走りがち」な人が多かったように思います。ここまで人数がいて距離があると、いったんズレるとWaveのように自分の耳に押し寄せてきます。

群衆の勢いってこういうものなんだ。と、フランス革命の民衆の怒りにも似た、数の勢いを感じます。

私は、1万人が第4楽章で一同に起立する瞬間の音に「ぞくっ」とします。

すごい音です。一方で、1万人の囁くようなピアノ(p)もゾッとします。

 

3)世代や障害を超える

小学生から90歳代が集まって同じことに加わる、あまりないですよね。

今年は、車椅子の方も増えていたように思います。

そして、最近薄くなってしまってきている伝承ができる場でもあるように思います。

 

4)それぞれの生きるが集まる

実は、ここに参加している方では、転機を迎える人、癌などの病気から復活し、新しく命を感じる瞬間を得る人、お子さんと一緒に同じことを目指し歌いに来る方など、様々です。コテコテの「おばちゃん」スタイルの人もいて、それは多岐に渡ります。

 

5)第4楽章のドラマを体感できる

友よ、皆、神の調べに集い、皆で進もうではないか

そして最後に現れる楽園にたどり着く瞬間の音楽

 

歌う間に、次第に この1年あるいは今まで起きてきた楽しかったこと、苦しかったことが頭をよぎります。

そして、なんだか次第に目頭が暑くなります。

多くのかたがこの体験を同時にしています。

 

皆、違う場所で違う毎日を送っている一万人が集い、命、生きている喜びを

歓喜の歌として奏でます。なぜでしょう。

とにかく、ウルウルするのです。

 

5)2019年を振り返ることができる

12月の初めではありますが、残り1ヶ月という多忙ななかでも振り返りの時間を持てます。

「また来年」と歌い終わると皆思います。心も体も。

 

今年は第九が「落ち着く場所」に感じたのは初めてでした。

私が声をかけたら、緩い繋がりの会を開催することができました。

 

まさにそこには、

60歳の還暦で新しい職場へ向かわれる方、がんサバイバーで発信し続ける方とその御子息、育児休暇中で一歳半の超可愛いお子さんを抱っこしながら小学校2年生のお子さんと合唱も楽しむ医師、フルマラソンもしながら体を鍛え歌を歌っている方がいらっしゃいました。

みんなで声を合わせられたことと出会いに感動。

 

***********

今日はその第九のテレビ放送です。

お時間あれば、あるいは片付けしたりする合間があればご自宅で是非ご覧ください。

シラーの調べの詩は霜降り明星粗品さんという方が行います。

 

一体誰よそれ?

と思ってしまった私ですが(すみません、あまりテレビを見ません)。

 

今まで詩を読んでいた有働さんや小栗旬さん、仲間由紀恵さんなどとは違う趣で

楽しく、詩を深掘りされました。

 

ご本人がクラッシックを学んでいて「憧れ」だった場所に、

なんと佐渡さんが「やりたいでしょ、やりなよ」

と逆指名だったそうです。

心のこもった良い朗読でした。

 

趣も変わった令和の第九。私が感じたことは「新しく変えていく」

というスタッフや佐渡さんの思いだったのでは。

結構、舞台さん泣かせだったような構成、プログラムだったように思いますが、

それもありかな?

 

こちらのイベントは30年続いています。

これを続けられたサントリーさんの思い。企業として新しく進むにあたり、

変わらないもの、変わっていくもの

伝承するものを考えている気がしました。

なぜなら、今年は「小学校」などの団体や「お子さん連れ」が多かったように思います。

 

新しく変えていく変わっていく

という思いをもう一度リマインドしつつ、来年に…。

内容はこちらを。

www.walkerplus.com

 

https://www.mbs.jp/daiku/

 

<歴史を振り返り新しきを臨む>

www.mbs.jp

 

 

 

患者さんのために涙を流す医師

患者さんのために涙を流す医師。

 

日常の中ではあまり出会うことはありませんね。

 

私が初めて出会った「講演の場で涙しながら語る先生」。

横浜の某クリニックのA先生。

 

在宅医療について医師と患者、家族の対話をどう記録に残しているかというお話だったのに、その中で語られたある患者さんの出来事、患者さんの物語を受け止めて

看取るまでの家でのやりとりを思い出し…。

 

先生の声が少し詰まり、先生の目頭が熱くなり、両目いっぱいに涙が溜まっていました。

 

かたや学会で学術的な話ばかり聴き続けてきた私としてはとても衝撃的でした。

 

こんな先生や看護師、たくさんの専門職に囲まれた方はどれほど嬉しかったのでしょう。

 医療行為そのものではない、何かを感じたのでした。

 

そんなクリニックと出会い、語りを繰り返すことができる場に出会えたのは

そう、2013年だったかな…。

 

それ以降、たくさんの心を感じる先生たちに出会うことができています。

昨日も、そんな方達との対話に参加できました。

言葉にならない、文字にならない、そんな深みある色。

 

 

実は、

ほとんどの方が私自身のリアルな今の生活圏から離れています。

それが残念でなりません。 

今、本当に考えているのは「リアルな生活圏」を知ることかもしれないな

と思っています。

 

ということで、生活圏でのイベントを妄想しています。

 

2019年3月18日(水)の夜

江戸川区船堀タワーホールにて

こちらの上映会を計画しています。

 

peer-movie.com

 

ちょうど、新作の映画も2020春に公開予定。

www.care-movie.com

 

力不足を承知の上ですが告知をお楽しみに。 

 

某大学病院にあるヒポクラテスの木(プラタナス