「医療に効くエンディングノート」では、こんな図をいつも利用しています。
こちらは、2010年にエンディングノートを日本に初出版なさった方、とされる、
株)東京葬祭 尾上正幸様がご利用になる図を使用させていただいています。
エンディングノートを知る人は「そうだね」と思いますが、
ある方から表題のテーマとなる素朴な疑問が投げかけられました。
「なぜエンディングノートに自分史が必要なのですか?」
私の回答は次の通り。
「End of Life・人生最終段階に自分が満足いくための道具」
になるからです。
書く本人からの視点は後日談として。
受けとる関係周囲の側では、
自分史で得る情報をこんな場所で用いています。
1)お葬式の時のナレーション
セレモニーホールなどの葬儀に参列すると、司会の方が式を運営されます。式次第を順序立ててお話してくださいますよね。
その中に、弔電の紹介などの時間があります。そして、この時、
故人の生い立ち
故人の思い出
を語られることがあります。
この時、故人はどこでお生まれになり、どのような子供時代を過ごされ、どんな学校生活から成人となり、社会人としてどう過ごされたか、ということを話します。
何をこよなく愛し、どんな楽しみの中で過ごされたか。晩年はどうだったのか。諸々。
この時、のストーリーは、まさに自分史や思い出です。
尾上様曰く、ご子息が喪主の時に故人の思い出や生い立ちを伺うと
「幼少時代の情報が少ない」
とのことでした。
私自身も子供たちに自分の幼少時代をあえて話す機会は少ないことは感覚的にわかります。
「君たちの年齢の頃にはね、私はこうだった、ああだった」
…よくある説教・物申すしつらえの発言はしていたような(反省)。
中学、高校、大学くらいでの出来事はいうけれど、幼少期のことをあえて言いませんし、それを受け手が幼少の時期に、
「ママもおままごと大好きだったんだ」
と言ったところで覚えているとは思えません。
(子供って、幼少期自分が旅行したことさえも覚えてないことだらけですからね!)
となると
どんな幼少期を過ごしたかなどというのは、こうした書き物で初めて明らかになります。
そして、法事で会う親族から、初めての話題が次々出てくることもありますね。
へー。知らなかった。
親でありながら結構周りから言われて知ること、多くないですか?
2)法名/戒名をつける時
お坊さんと法名・戒名を決める時に、故人はどんな人であったかをお伝えし、その人を象徴する漢字が使われていきます。
この時のお話により、お坊さんが戒名をつけてくださるのです。
最近では自分の戒名も「いくらくらい」で「この文字を入れて欲しい」などと決めて旅立たれる方もいらっしゃいます。
この時、お話をしなければならないのは喪主様。
こんな時にも自分史・思い出が文字に記されていると役立ちます。
3)End of Life ケア 医療やケアで
実は、医療やケア、それも、人生の最終段階にさしかかってきた、
身体機能がゆっくりと落ちて、日常生活に支援が必要になってきた
この時期に重要なことだったりします。
それは、医療従事者・ケアする人たちと初対面するからです。
医療・ケアの基本は、その人に寄り添い、その人の価値観を知り、
その人にとっての最善最良を目指します。
特に人生の最終段階において、その価値は高まります。
その人がどんな暮らしをして、どんな価値をもち
どんなことに興味があって、どんな音楽が好きで
を理解していること
実はとても重要です。これも自分史そのものですよね。
残念ながら、診療・ケアに当たる医療従事者の方たちは、それをゆっくり聞いている時間をあまり持てない現状があります。
(もちろん、それを大切にされている先生たちも多々いますが)
もし、それが、一見できるなら、それはありがたいですよね。
いわゆるプロフィールの積み重ねみたいなものでも十分なのですが、
欲しいところ。
そんな理由が挙げられます。
お彼岸。
春の新しいスタートに、ご先祖様へご挨拶もいい日和ですね。
TOBIRAカードはそんな自分史、物語をテーマごとに引き出すために作られました。
昨日の講座では、心理カウンセラーの方がご購入くださいました。
ありがとうございます。