ある方のお父様がお亡くなりになったご様子を伺いました。
お父様、娘様、そして周りの方の協力にしてご本人が望む「自宅で」逝くことができたということだったと感じます。
まず、娘様の行動は次の通りでした。
1)弊社主催のセミナーに参加し情報を収集(ここだけPRです)
ここでは法的な面、成年後見などの学びと、医療側でのアドバンス・ケア・プランニングに関することをインプットされました。
医療側での講座はこちら 3月19日(火)に開催です。
医療・介護に活きるエンディングノート2019~「人生会議」について考える
2)介護・ケアについて学ぶ
両親のケアをすることが明白だったので、彼女は介護・ケアの学校へ通学し、ケアについて学びました。
現在は、5万円ほどで介護職員初任者のための研修があります。高いととるか安いととるか、娘さんはご両親2名をこの先介護するなら
・人に頼むよりは安い
あるいは、
・ご自身がやったほうが自分自身も満足がいく
と捉えたのでしょう。もちろん、依頼先を探すということも一つの選択肢ですが、
「自宅で逝きたい」「自宅で看取る」を実践するとき、学ぶことはマイナスになりません。プラスのことばかりです。
(参考)こちらは川崎駅近くにある介護職資格の取得できる学校です。
QOL アカデミー – 人生の質を高める! 介護学校【QOLアカデミー】
ここまで専門的でなくても、と思う方は、地域により、
「家族のための」講座がないか地域包括ケアセンターなどで相談してもいいでしょう。
3)ご両親と話し合い、自分たち夫婦が同居すべきかどうかの検討
近隣にお住まいだったため、ご実家へ要請に応じるていましたが、その回数が次第に増え暮らすご様子をみて、そろそろなんらか考えた方がいいな、と思ったのでしょう。
ご両親と「この先どうするか」
を考え、話し合う時間を持ったようです。
そして、ご実家にしばらく暮らすことに決めました。
ちょうど旦那様が退職から新たなチャレンジをする時期だったので、旦那様も一時的、まあ数年だと見立てて同意なさったのだと思います。
お父様の確たる終い方があった
お父様の方も、実はご用意をなさっていました。
遺言です。
お父様は建築関連のお仕事をなさっていました。
お住まいはご自身が設計・建築に携わったのです。
そうなると、ご自宅は「自分の分身」のようなものですよね。
丹精込めた土地・住宅のことで残された親族でもめてしまってはならぬ、
と思われたのでしょうか。
自ら建築したご自宅の土地の区画線について再度調べて、近隣の方と揉め事が起こらないように整理をしました。
そして遺言にもしっかり分与まで記されているはずです。
さらに、
葬儀は家族葬で、どこでどのように、ということまで書かれていたそうです。
ご自宅で亡くなりたい
糖尿病を患っていましたが、無理な食事制限もせずにいわゆるバランス良い食事を取りながら毎日をお過ごしでした。
その日も、決して体調が悪いというわけでもなく、娘様の作った夕食を普通に美味しくご家族で召し上がり、就寝なさったのでした。
廊下越しに聞こえた「不可思議ないびき」
を聞いた娘婿さん。
様子を見に行くと、確かに呼吸がおかしい、ということでした。
在宅医療を受けている主治医への連絡
ここで、気が動転することもなく、月に2回訪問してくださっていた在宅医の先生へ
電話連絡。先生が駆けつけたタイミングで息を引き取られたとのことです。
口数の少ない、「凛」とした故人様だったとのこと。
ご自宅への思い、ご家族への思いを全て感謝で終えたような看取りだったようです。
娘様は、
「学んだとはいえ、父親で初めて看取りを経験できたこと」
「落ち着いて対応ができた」
とおっしゃられました。
しっかりなさっている方ですので、その言葉には納得させられることもありました。
裏側では、沢山涙を流されたことでしょう。
ご冥福をお祈りするとともに、
ご家族ご親族のこれからを静かに見守ってくださるのだろうと
思いました。
親子でちゃんと良い支度をすると、素敵な逝き方ができるのだろうな、
と思ったのでした。
凛として幻想的な竹林